第2回定例会3日目、常任委員会でござる。

区が行う助成事業について、業務委託費用の部分の質問を行った時「お差支えない範囲で費用の内訳を…、」とついつい遠慮してしまう。先輩議員がその後を引き取って掘り下げて質問するのを拝見して学ぶ。
保育園の建て替えの件で、思わず環境建設委員会での質疑だということを忘れて設置基準を質問してしまい、「それは文教子ども家庭委員の管轄」と注意されたりし。そうでした!大変失礼をいたしました。
午後から文教子ども家庭委員会へ出席し、議員提出議案である「給食無償化」について委員会にお諮りいただく。
まず日本共産党新宿区議会議員団 幹事長の川村議員より、条例提案について説明あり(以下、一部抜粋)
第1条 (目的)新宿区立の小・中学校と特別支援学校の給食費を全額助成することにより、児童又は生徒の保護者の経済的負担を軽減し、子育て支援の推進を図り、学校給食を充実させ、食育を推進するとともに、義務教育の無償化を一部実現することを目的とします。
(提案理由)
学校給食を無償化することにより、保護者の経済的負担を軽減し、食育を推進するとともに、所得によらない義務教育無償化の一部実現を図り、もって児童福祉の増進を図るとともに少子化対策に寄与するためです。…
今回新宿区は国からの助成を財源として区長が記者会にて、多子世帯を対象に無償化することを発表、完全無償には舵を切らなかった。その理由として、自治体間での格差の問題を上げ、国が方針を決めるべきとの立場をとっている。
委員会では、この自治体間での格差の課題の他、今回区内で生じる格差の課題、財源をどうするか、他区での取り組みの例などが話し合われた。
・自治体間での取り組みの差が格差を生むため国が方針を決めるべき
↓
・憲法第26条 義務教育は無償との定めあり、国の対策が遅れている分を地方自治体で先駆けてカバーしていきましょう
今回第2子以降を無償化することで生まれる区内の公平性の課題を解決できる
・他区の取り組みとして、台東区、港区が先駆けて行った事例があげられた。
現在は15区が無償化を表明しており、そのうち12区が全児童を対象に無償化するほか、第2子以降や中学生対象に限定する区が3つ
その取り組みの多くは現在のところ、令和5年のみ物価高騰対策としてであり恒久的な無償化ではない
社会情勢を見ながら行うとしている点について指摘あり
↓
・そういった自治体も物価高騰対策として1年だけ無償化して終わるのではなく、その後も継続するために財源の課題を慎重に検討していると考えられる
・恒久的な無償化については財源の課題から慎重に取り組むべき
↓
・国や都への要望を継続して行う
(今回 新宿区長は、東京23区の区長からなる特別区長会の会長に就任、新宿区のみならず特別区長会として要望を提出する予定とのこと)
現在区の財政は安定しており、今後も高層マンションの建設などからさらなる税収増が見込まれている
さわいめぐみも提案会派の立場から下記、追加で発言させていただいた。
・憲法26条 義務教育は無償の観点と、学校給食法 第2条が定める学校給食の目標(学校給食は食育である)を合わせ鑑みると、無償化は今後目指すべき方向であること
・2019年の国民生活基礎調査で生活が苦しいと感じている世帯は 全世帯で54.4%、母子世帯では86.7%に上る
こうした状況からも区内での格差を解決することは喫緊の課題である
今日は言えなかったけれど、上記に ①今後食育として、無農薬食材や地産地消の考え方を取り入れるなど質の向上を図ること、給食無償化はそのステップでもあること ②調べたところ 23か所ほどある新宿区内での子ども食堂の取り組み ③先進国の中でも日本は貧困率が高く7人に1人の子どもが貧困状態にある などについても触れて賛成討論を行いたい。
地方自治法 第1条には
「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的にかつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」とあり
また「地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。」と定められている。
この第1条に補足すると、コンメンタールに、上記「自主性」には、「自らの判断と責任に基づくこと、すなわち自己決定と自己責任を原則とすること」とある。
東京23区の給食費の取り組みをザッと見ても、例えば一部「中学校のみ」としている区は、給食費滞納のデータから小学校より中学校での学費負担が重いことを鑑みた決定なのかな、とかいろいろと想像できる。個性が出る。
地方自治体の財源は国と違って限りがあるために「何を優先し、何を後回しにするのか、」が予算の使い方に個性となって明確に現れると言える。それは見方によっては「区長の個性」「区議会の個性」でもあり。
結果はわかりやすく目につくけれど、今は「見え方」も戦略的に工夫されているから、読み解くチカラ(例えば、キラキラした言葉に騙されないでね!とか)という観察眼を養う必要もある。決定に至るまでのプロセス、舞台の裏側を理解すれば政治はきっともっと面白い。
国⇒地方自治体ではなく、地方自治体⇒国 の権利移行は今後増々求められるだろう。自治体によって特性や課題は異なり、国の一律の政策ではいろいろと弊害が起こることも多い。最近の例だと森林環境税とか。
災害ひとつとっても、地方自治体にもっと自己裁量の権利があれば、現場に則した素早く柔軟な対策が取れるようになる。
ただ過去のふるさと創生事業(地方に好きに使ってと1億円配った事業)を思うと、自治体の自治力というか民主主義力というかはやはり問われるか。今ふるさと創生事業やったら、各自治体はどう使うんだろうなー。
自治体ごとの個性がさらに如実に表れることを想像するのはなんだか楽しい。方言とかも、地方のパワーだよね。
2023年06月14日 22:04