山本太郎代表のダイブ
という夢を見て目が覚めた。…??尾てい骨ってなんなん…??
枕元のスマートホンのボタンを押すと画面がパッと明るくなって、国会議事堂前の山本太郎代表の写真が目に入る。カレンダーや温度や天気などに続く自動表示の過去写真。2022年8月3日、代表の初登庁の時のものだ。
昨日時間に間に合わなかった銀行へ行って用事を済ませて、ご飯を食べに行こう、何を食べようと考えながら駅方面に向かって歩いていた。途中雑貨屋さんに吸い込まれ、カーディガンかわいいなーなどと思って見ていると声がかかる。支援者のNさんだった。
保護猫活動をされているNさんが、これから交番に行くのだという。先日車にひかれて亡くなった野良猫さんの毛の色を確認するために。最近ご飯を食べに来ない子(地域猫)がいるから、と。一瞬言葉を失った。「…え、辛すぎません…??」思わずつぶやくと、いつものこと、野良だから仕方のないことだと返された。感情がそぎ落とされた声が耳に残る。いのちを守る活動には必ず、死がついてくる。
夕方からはたんぽぽ舎のトークイベントに行く予定にしていた。支度をしていると"#山本太郎ダイブ"のツイートが流れてくる。え?え?なに?と混乱する。ツイートを追っていくとだんだん、代表が入管法の採択を止めようとしたということがわかった。
ちょっと考えてたんぽぽ舎に電話し、予約していた前川喜平さんのトークライブ「教育基本法と日本の教育~子どものための教育からお国のための教育へ~」をキャンセルした。
竹内先生のレッスンで言われたことが頭をよぎる。怒るということについて。もしも子どもが今にもいのちが危ないような場所に飛び込もうとしていたら、思考などする余地なく「行くな!」と怒るだろうと、怒りとはそういうものだろう。そんな話があったはずだ。
中学高校と優等生の仮面を被って毎日を送っていたわたしのからだに、「ルールは守らなくちゃ」とか「アウトロー意味わかんない」みたいな当時の感覚の残留物質が残っている。大人になった今、当時の自分が苦酸っぱい。後に「頑張って生きて、一体なんの意味があるの(いや、なんの意味もない)」と思うことになる私は気づいてしまうのだ。「いい子」だと存在を撫でられるのは、「大人にとって都合のいい子」に過ぎなかったのだ。搾取されまくっていい子でいることに我慢できなくなるほどに世の中が見えてやっと、あの頃の私苦酸っぱい、と思えるようになった。
竹内先生や鳥山先生は反抗する生徒たちを評価していた。学校は子ども達を押さえつける教育だと、その在り方を見直そうとしていた。
いのちが奪われそうになっている時に「ルールは守らなくちゃ!」などと言われて躊躇したり、昔先生からもそう言われたからそうかもしれないなどと自動的な思考で縛られてしまう心理を見ると、怒りの前にどうしても自分のこの苦酸っぱい感覚が蘇ってきてしまってちょっと赤面してしまう。
山本太郎代表の真っ当さがまぶしくなる。
山本太郎代表の街頭演説へ向かうと船橋駅前にはすでにかなり大きなひとだかりができていた。尾てい骨を痛そうに押さえてもいないしひとに支えられてもいない。
これは夢ではない。笑
【LIVE】 山本太郎とおしゃべり会 in 千葉県・船橋市!(6月8日19:00~) - YouTube
お話し会まで参加して帰宅。会場を後にするときにスタッフの方に「立候補してみませんか、」と声をかけられてちょっと笑ってしまった。「今、新宿区議会議員です…、」と申し訳なく答えたら「ああ!どうりで見たことあると思った…!」だそうな。
入管法の問題についてざっくりと整理してみる。
●今回採択された入管法改正案は難民申請を3回以上行なった場合に強制送還できる規定が盛り込まれている。
【背景】
日本は1981年に難民条約に加入した。人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員、政治的意見などによって迫害を受ける恐れがある人を難民と定めている。先進国ではこの他、身体の脅威がある場合には難民条約を補う形で保護すべきだという「補完的保護」の考えが浸透。日本は難民条約を厳格に解釈しているとして批判されており、改正案では補完的保護が入れられたものの、政府は戦地や紛争地から逃れただけでは直ちに難民条約上の難民に当たるとは言えないとの立場を取る。
【ウィシュマさん事件】
・2021年3月6日、名古屋の入国管理局で収容中の女性、ウィシュマさんが死亡。体調不良を訴え続けていたにもかかわらず適切な治療を施されないまま亡くなった。「DV被害者が配偶者からの暴力に起因して旅券を所持していない時は、在留資格を交付する」などの内規に反していた疑いもある。
・ウィシュマさんを映していた入管内の監視カメラ映像が遺族らに開示される。これは拷問に他ならない。…議員やウィシュマさんのご家族から猛烈な抗議と批判。入管職員の人権意識に欠ける不適切な発言も明らかになる。
⇒ウィシュマさん事件の抗議団体が立ち上がり入管法改正案の成立は2021年5月に一旦断念
【問題点/できごと】
・この法案は日本が同意している難民条約「生命や自由が脅かされかねない人々が入国を拒まれたり、それらの場所に追放したり送還されることを禁止する国際法上の原則」(ノン・ルフールマン原則)に反している。
・強制送還されれば確実に人命を危機に晒す。日本で難民認定されなかった方が海外では認定される例がある。
・法改正に必要とされる根拠「難民をほとんどみつけることができない」の発言をした柳瀬房子・難民審査参与員の年間審査件数が2022年で全体の4分の1(1231件)を占めていた事実が発覚。入管法改正案の背景となる発言の信ぴょう性、一般的な社会的事実そのものが疑わしい。
・齋藤健法相が大阪入管の常勤医師の酒酔い診察問題を隠ぺい、「大阪入管・常勤医師1名」と虚偽報告、「常勤医師の確保などによる医療体制の強化など改革の効果が着実に表れてきている」など虚言。ウィシュマさん事件以降改革などされていないことが明るみになる。
・齋藤法相の問責決議案が提出された後、難民申請が不認定になったアフリカ系男性が強制送還される際の、入管当局による暴力行為の動画が公開される。
【山本太郎代表のダイブ】
⇒れいわ新選組は法務委員会に議席を持たず、委員外質疑を求めるも拒否された。代表は「ひとのいのちがかかっていること」とし「かつて野党がやったようにからだをはってでも強行採決を止めよう」と野党に呼びかけた。採択を行おうとする委員長を実際にからだをはって止めようとした(ダイブ)。
⇒強行採決する委員長からマイクを奪う際にバリケードをきずいていた与党議員に手が当たってしまった。代表はすぐに陳謝。
⇒懲罰動議
さわいめぐみは思う。強行採決するな。嘘をつくな。事実を隠すな。必要ならとことん話し合うのが民主主義だ。
地方も国も同じだななど考えながら台所で線香花火に火を灯してみる。火花の様相を変えながら燃え尽きて、小さな火の球が水に落ちジュワッと音を立てた。
2023年06月08日 23:39