螺旋階段のような、
関東住まいでの取引銀行は20代の頃からほぼ変わらない。なぜだったか口座を解約することになった時に、伺った窓口の女性の対応が素晴らしくて、感動して取引を再開した、それ以来のお付き合い。感動が繋ぐご縁なのだ。一見いい話ではある。若かった私に、あんな接客が出来たらいいな思わせてくれる指標にもなった。けれど30分にも満たないやり取りで得た接客の感動と銀行の理念が反映される投資先の問題は、天秤にかけるまでもなく重要度が異なるだろう。
地元の青森に戻った時に城南信用金庫の口座を作ったことがある。311をきっかけに脱原発にシフトした銀行だが、いかんせん当時青森で利用するには物理的に致命的に不便だった。結局定着しないままクレジットカードだけ保有している。
東京に戻ってきてからは深く考えることもなく現在のメインバンクに戻してしまった。よりによって原発関連企業に最も多額のお金を融資している、「地球にやさしくない銀行」（国際環境NGO 350.org Japan 調べ）上位にランクインしている銀行だ。
政務活動費用の口座は会派名義でなくてはいけないとのことで新規口座を開設する準備をしている。先日も政治団体用の新規口座を開設したばかり。反社会的組織による資金洗浄を防ぐために簡単には口座を作らせてくれないから銀行通いが続く。
派遣職員として働きながら、お金が手元にプールされずに右から左に流れていったこれまではともかく、区議会議員に当選したこれからは取り扱うお金の量が変わる。寄附金に合わせて公金も預かる身になるのだということをつくづく自覚せざるを得ない。
ということでメインバンクの話に戻る。どの銀行を使うかは今まで以上に重要な選択となったということ。諸事情により今すぐにすべては無理だとしても、年内にはメインバンクを「地球にやさしい銀行」へシフトしていくことにした。
午後は新宿区議会の議会中継を確認。まずはテーマを絞っての視聴。
不思議な感覚だ。昔やろうとして挫折したことを政治家として改めてやれるのかもしれない…？？という、思ってもみなかった感覚。
環境保護団体を立ち上げた頃、例にもれず資金繰りにはとても苦労していた。イベントポスター代金の支払期限の当日に金額ピッタリの協賛金が奇跡的に入るなど、笑えない綱渡りの状況。早朝サラダ加工工場や食肉加工工場で働きながら活動していた日々もある。結局マネタイズする道が見つけられず団体としての活動を断念せざるを得なかったのだ。
人生は時に螺旋階段のようだ。いつか来た道だという既視感を覚えながら、実は全く別の次元を歩いている。
2023年05月08日 22:51
